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商社関連記事その3「商社は日本最強の「投資銀行」か」

2009年03月16日
商社関連記事その3「商社は日本最強の「投資銀行」か」
黒木亮 「週刊 エコノミスト」5、27号「商社の鼻息 最高益更新の内実」

邦銀のロンドン支店に勤務していた1988年、英国系マーチャントバンクの幹部が、
あるセミナーで「様々なリスクヘッジ手法のなかに『ジャパニーズ・スポンジ』がある。それは日本の総合商社だ。

彼らは誰も取れないリスクを取り、クッションのような役割を果たしてプロジェクトを成立させる」と説明した。
そのとき以来、商社の金融機能に注目している。
途上国向けの大型プロジェクトのファイナンスでは、
先進各国の公的輸出信用機関や貿易保険などが融資や保証、保険を付けるが、誰の保証や保険もつかない数%の欠け目が必ず出る。
そんな時、商社は自らのリスク判断で、その欠け目を取るケースが多い。
長年の経験やプロジェクトが生み出す収益機会、例えばプラント輸出や製品の取引など、モノに関与しているからこそ、商社しかできない独自のリスク分析ができるのだ。
商社は世界中にネットワークを張り巡らせ、外国の政府首脳と友人関係にある商社マンも少なくない。
こうしたネットワークがBRICsなどの新興諸国の経済発展によって実を結んだといえる。
現在の商社には「資源高に依存しすぎていいのか」という危機感もある。
ただし、商社には建機や鋼管、プラント輸出など、多種多様な部署がある。資源価格の高騰でこうしたビジネスも拡大しており、業績に取り込んでいる。扱っている商品が多く、裾野が広いのが、商社の最大の強みだ。

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